こんにちは。8chunmama(はっちゅんママ)です。
税理士事務所業界に限らず、転職を成功させるのに重要なのは何だと思いますか? 重要なことはいくつかありますが、まず今回お伝えしたいのは
「自分の中の優先順位をハッキリさせる」
です。
言われてみれば当然とも思える、分かっていても疎かにしがちな、このポイント。 この記事が、皆さんが改めて自分の中の優先順位を具体的に考えるお手伝いになれば幸いです。
なぜこの作業が重要なのか
今の職場に対する不満だらけの場合、「今の事務所じゃなかったらどこでもいい!」と、とにかく脱出をしたい一心でやみくもに転職活動をしがちです。
私もむしろ、そんなことのほうが多かったかもしれません。
でも、業界的(というか日本全体的)に売り手市場な状態では、良くも悪くもブラックな税理士事務所からすぐに内定が出てしまい、よく考えずに転職してしまうこともあるでしょう。
藁をもすがる思いで内定承諾をしたのに、また1~2年後に「今の事務所じゃなかったら(以下略)」と、生気のない目で求人案件を眺めることになるかもしれません。
転職活動は、転職できれば成功ではありません。
きちんと自分が次の職場に求めるものを整理して応募してこそ、転職活動は成功するのです。
求める条件にハッキリと優劣をつけてから転職活動をしたら、転職先ではストレスが軽減されました。
実際に優先順位を考えてみよう
- 具体的に考えてみる
では、「次の職場に求めるもの」を思いつくままに書き出してみましょう。 例えば、次のような事柄でしょうか。
残業時間が月〇時間以内
残業なしOK
担当が持てる
製販分離している(顧客担当者は入力せず、入力専門スタッフがいる)
自分で入力から月次監査、決算まで一貫して担当する
業種や税目に特化している
色々な業種の顧問先がいる
通勤時間が〇時間以内
〇〇沿線、〇〇(交通手段)を使って通勤できる
専門学校との距離が近い
その他、事務所の立地(近隣店舗、地域性など)
今より年収アップ
税務調査に携わりたい
週〇日でもOK
社会保険の扶養の範囲内でもOK
朝の始業時間が〇時
〇時までに終業できる
土日祝が確実に休み
職場の雰囲気(和気あいあい、ビジネスライク)
職場の年齢層、同僚の属性(パパ・ママが多い、独身者が多い、同年代が多い、税理士受験組が多い、税理士が多い)
子どもの体調不良や学校行事で休むことに理解がある
特技を活かせる(融資支援、担当経験業種、給与計算、社労士、営業経験、Excelスキル(マクロ含む)、システム構築・ITスキル、管理職経験、語学スキル、コンサルティング、自計化支援、税務調査、税目)
職場がキレイ(建物外観、所内の内装・整理整頓具合、水回りなど)
事務所の広さ
職場の禁煙・喫煙の別、喫煙場所の冷暖房の効き具合
同僚との衛生観念の一致
同僚の実務レベル
税理士法人か個人事務所か
事務所の規模(スタッフの人数)
所長税理士や上司の人柄
所長税理士の税務レベル
所長税理士の経営者感覚
自分に足りない経験を積める(スキルアップできる)
福利厚生が充実
社内教育制度がしっかりしている
税理士試験勉強の援助・奨励体制
税理士登録のための実務経験
顧客の層、回収資料のレベル・整理度合い
顧客の自計化の多寡
クラウド会計の利用の有無
会計・税務ソフトの種類
事務所の将来性
後継者を探している事務所、幹部候補を採用希望の事務所
評価制度が整備されている
所長や所内のケチ度合い
所内のスピード感が自分と同じ
ペーパーレス化が進んでいる
パソコンのモニタが2画面
電子申告・紙申告
訪問型中心・来所型中心
顧客が個人事業主中心・法人中心
チームを組んで担当をする
所長が税理士・所長が公認会計士
1人あたりの担当件数が〇件以内(〇件以上)
所長やスタッフのホスピタリティー精神
所長やスタッフのコンプライアンス精神
・・・などなど。
私自身の求めるもの、知っている事務所間で感じた差、周囲の人が求めていたもの、求人票でアピールされていたものなどを思いつく限り挙げてみました。
一つの事務所のみの経験だと、それが当たり前だと思ってしまっているので、思いもよらない判断軸があるかもしれません。
でも、もっと他に何か優先事項があるかもしれません。
思いついたものはどんどん書き出しましょう。 スマホのメモ機能を使って通勤時間に書き出して、家に帰ってから付箋に書きうつすのもアリです。
求めるものを付箋に書けたら、実際にテーブルやノートの上で並べ替えて優劣をつけていきましょう。
明らかに自分は気にしない、というものも、他の人が優先しそうなことであれば、大きめの付箋かノートの下の方にまとめて書いておくと、後でヒュープロなどの転職エージェントさんに「この点は気にしません」と提示するときに使えます。
また、優先度の差はあっても、それぞれ条件に挙げるからには何かしらのエピソードが絡んでいることもあるでしょう。 そういうエピソードは自己PRや退職理由に応用できる場合もあるので、少しでもご自身のアンテナに引っかかったものは書き留めておくのが良いです。
優先順位は現状への不満度の裏返し
優先順位と言われても、どの条件も譲れない。
そういう方は、
自分は今の事務所の
何が耐えられないのか。
何がイヤ(だけど我慢はできる)か。
本当はイヤだけど他のことに比べたら別に気にならないことは何か。
なら書き出せるでしょうか?
それを裏返せば、次の職場に求める優先順位です。
紙のノートでもスマホのメモ機能でもいいので、今の職場への不満を書き出してみましょう。
そして、今度はそれと対になる「次の職場に求めるもの」を、できれば付箋に1枚1つ書き出します。
そして、前項と同じように付箋を並べ替えていきます。
尚、2つセットの不満は分解してから逆にして付箋にします。
例えば、
「残業時間が長いのに給料が安い」→「残業時間が短い」、「月収(年収)〇万円以上」
というふうにします。
さて、この例では「残業時間が短い」「給料が高い」の2つの付箋(条件)がありますが、あなたの優先したいのは強いて言えばどちらですか?
お給料がそれ相応にもらえたら、残業時間が長くてもいいのでしょうか?
お給料が安くてもいいから、今は自分の時間(試験勉強・子育て・介護・その他プライベート)を優先できるほうがよいのでしょうか?
どちらが優先事項かで、求人の応募先が全く変わってきます。
ですので、不満は思いのまま書いてもらっていいので、転職先に求めるものはできるだけ分解して付箋にしてほしいのです。
今の職場への不満は、退職理由を聞かれた時の答えを整理するのにも役立ちますので、不満のメモはそのまま誰にも見られないように保存しておきましょう。
その次にすること
さて、次の職場に求めるものの優先順位を並べ替えられたら、次にする大事なことは、
「絶対に譲れないものを決める」
です。
付箋を並べ替えることで優先順位の可視化(見える化)ができましたが、あなたにとってどこまでが「絶対」なのでしょう?
絶っっっっっっ対に譲れないものを1~2個に絞りましょう。
そして、転職エージェント会社を利用する場合は、担当エージェントさんに伝えましょう。もし担当さんに聞かれなかった場合は、こちらからお願いすると良いです。
その他の条件については、複数の事務所が応募する候補に挙がったときや複数の内定をもらったときに、冷静に比較して判断するためのポイントにします。
付箋を貼ったノートをそのままの状態で保管しておいてもいいすし、並べた状態の付箋の写真を撮って保存してもいいでしょう。
ノートやエクセルで表を作って、書き出した条件を左端に優先順に入れ、上段に応募先(応募候補先)を入れて、3~5段階で評価したり、求人票や面接で得た具体的な情報を書き込んだりして整理すると完璧です。
頭の中ではあれこれ迷いがちなことも、文字に書き出して表にするとスッキリしますよ!
まとめ
求職者の選択肢が増えている今、ただ転職先が決まるだけでは「転職の成功」とは言えません。
より自分の求めるものに近い職場に出会う。
そのためには、まず自分が何を求めているのかを整理して、それから書類応募や面接対策、内定承諾のステップを進めていくことが大切なのです。
今回の記事に書いていることまで実践している人はなかなかいないので、面接時に上手に伝えられたら「筋の通った人だ」という評価がもらえるかも!
また、年齢やライフステージ、持っているスキルにより、転職先に求めるものは変わってきます。
数年後にステップアップ等で再び転職活動をすることになった時には、また付箋に改めて書き出したり、(粘着力が残っていれば)今回の付箋を並び替えて、同じように優先運意を検討してみましょう。
皆さんに、良いご縁がありますように。