準確定申告の実務ポイント① 小規模企業共済掛金について

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こんにちは。8chunmama(はっちゅんママ)です。

今回は準確定申告の実務ポイントのうち、私がネット上のFAQなどでは答えが見つからず、電話で問い合わせをしたことを中心に共有したいと思います。
所得税の通常の確定申告にも応用できる情報ですので、ご参考にしてください。

準確定申告とは

準確定申告とは、亡くなった個人について、その亡くなった年の所得税について相続人が行う申告のことです。(所得税法第125条)
申告期限は、相続の開始のあったことを知った日の翌日から4か月以内です。条文上は

相続の開始があつたことを知った日の翌日から四月を経過した日の前日まで(所得税法第125条1項より抜粋)

です。

相続の開始のあったことを知った日とは、特殊なケースを除き、被相続人が亡くなった日(社会通念上死亡を知り得た日)です。
また、日数カウントについては、この条文の言い回しは、簡単に言えば4か月後の応当日になります。ただし、10月31日に相続の開始があったことを知った(≒亡くなった)場合、2月に31日はありませんから、2月末日が申告期限となります。(民法第143条)
今回の記事は準確定申告を深掘りするのがメインではなく、解説し出すとゴールに辿り着けないので、この辺で切り上げます。
詳しくは下記サイトをご参照ください。

No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)

期間計算の根拠条文

遺産相続弁護士ガイド 相続開始日は死亡日?相続開始を知った日との違いは?

年の中途で死亡した個人事業主が小規模企業共済の契約者だった場合

私が持った疑問と、得た回答

さて、ここからが本題。
個人事業主Aさんのケースについて考えてみます。(私の従事した事例とは、適用関係が異ならない範囲で変更を加えています。)
個人事業主Aさんは令和X年10月23日に亡くなりました。Aさんの銀行預金の口座からは、小規模企業共済の引落が毎月ありました。亡くなった月の10/18にも、その翌月11/18にも。
12月には引落はなく、過払い金の返金もありません。(まだ預金口座が凍結されていないことは、ここではスルーしてください。)

※小規模企業共済について深掘りしたい方はこちら
小規模企業共済 制度の概要

そこで私が持った疑問。

その① 10/23に亡くなったら、小規模企業共済の掛金は何月分まで所得控除の対象となるのか?

その② 少なくとも11/18はおそらく過払いとなるが、それは共済金を請求したときに共済金と一緒に返金されるのか?

当たり前過ぎるのか、約款に載っているのか、ネットで調べても分からなかったので、中小企業基盤整備機構(以下「中小機構」)さんに電話で問い合わせをしました。
得られた回答の概要はこちら。(オペレーターさん、ありがとうございました。)

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疑問その①への回答
10月中にお亡くなりになっているので、掛金は10月分までとなります。ですので、10/18に振替があった掛金までがその年の所得控除の対象となります。共済金の請求をしたら送られてくる「支払決定通知書兼振込通知書」には「10月分まで払込済み」と記載されています。

疑問その②への回答
それは、共済金の請求をされるタイミングにより異なります。
中小機構が11/18の掛金の収納確認をするのは12/20ですので、12/20以降に共済金の請求をされた場合には、「支払決定通知書兼振込通知書」に「過払金〇〇円」と記載されています。過払い金は共済金と一緒にお支払いします。

(※書類内の用語は聞き取り違いがあるかもしれません。大意としてお考え下さい。)
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通知書を見れば分かったってことですね。すみません。請求したかどうかを確認していない状況なので。。。(すべての書類がタイムリーに手元に揃うとは限りません。)
取り急ぎ、私は準確定申告の所得控除額が分かればよかったので、お礼を言って問い合わせを終えました。
この①の回答の趣旨からすれば、10月中であれば10/18よりも前に亡くなっていても10/18引落分は掛金として取り扱われることになります。
※12/19までに共済金の請求をした場合の11月分の過払い金の取り扱いは確認していません。

もし前年に年払い(前納)をしていたら

たまたまAさんは掛金を月払いにされていましたが、これが年払いだとひと手間掛けなければならなかったのではないか、と思いました。
それは、前年分の所得税確定申告の修正申告です。
年払い、例えば令和(X-1)年12月に前納掛金1年分の引落がされていれば、令和(X-1)年12月から令和X年11月分までの前納をしていたことになります。令和X年10月に亡くなっていれば、翌11月分は所得控除の対象とならないはずです。
11月分の掛金(500円~最大7万円)の所得控除の有無で税額が変わらなければ修正申告の必要はありません。おそらく赤字ではなく税額が発生している経営状態だから小規模企業共済に加入しているわけで、通常は修正申告の必要が生じていたでしょう。
なお、死亡以外の共済事由が前納期間中に生じ、年末調整や確定申告で過払いを加味しなければならなくなった場合、年末調整や確定申告前にその共済事由(役員の退任、個人事業主の廃業など)を把握しているときは、過払い金の返金を待つことなく適正な掛金の額を所得控除の対象として計算の基礎とすればよいです。別件で確定申告までに役員を退任した人について、中小機構さんに確認済みです。(控除証明書も、そもそも月額での記載ですしね。)

死亡退職金の税法上の取り扱い

今回のAさんのように、中小機構から共済契約者の死亡を共済事由に支払われる共済金や、会社から遺族に支給される死亡退職金は、相続税法上の「みなし相続財産」となり、準確定申告の計算の基礎には含まれません。また、源泉所得税や住民税が天引きされることもありません。
逆に言えば、相続税の申告の際、漏れがないように気を付けなければなりません。
その他、共済金についての詳細は中小機構ホームページでご確認ください。

小規模企業共済 共済金(解約手当金)について

まとめ

納税者が亡くなったことで行う準確定申告ですので、あまり業務としては頻度の高いものではないかと思います。
しかし。今回ご紹介した内容のうち、2.については個人事業主の廃業や法人役員の退任による共済事由の場合にも一部応用できる知識です。
皆さんの引き出しを増やすお手伝いができたなら幸いです。

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