8chunmama
こんにちは。8chunmama(はっちゅんママ)です。
今回は、毎年刊行されている税務の実務携帯本の代表2冊について、両方を使った経験から違いをご紹介します。毎年なんとなく同じものを使っているという人も、「じゃない方」の特徴を知ってみて損はないかと思います。
また、この2冊の「どちらでもない」選択肢もご紹介していますので、ご自身の好みに合ったものを見つけるお手伝いができれば幸いです。
目次
税務ハンドブックの特長
- 表紙見返しの情報が使える
税務ハンドブックの一番のウリはコレだ、私はと思っています。
表紙裏と見返しには税率や速算表が、裏表紙の見返しには「年齢早見表」と各年齢到達時の税法の適用関係や社会保険の取り扱いがまとめてあり、特に後者については「こういうのが欲しかった!」と感動しました。
- 少し軽め、少し薄め
どちらを買おうか迷っているとき、税務ハンドブック派の人に「なぜそちらを使っているのか」を聞いて返ってきた答えが
「軽いから」
でした。
確かに、目をつぶって左右の手に税務ハンドブックと税務インデックスを置かれても、どちらがどちらかがハッキリ分かるほどの軽さの違いがあります。
- インデックスシールが付いている
「修繕費」「交際費」「耐用年数表」など、よく使う項目12項目(R2年度版)と印字のないインデックスシールが合計28枚ついています。(『税務インデックス』にはシールはついていません。)
私は「所得拡大」を手書きして貼っていました。
これが便利だからこちらを選ぶ、という人もいるでしょう。
ただ、
・結局、全くシールを貼らずに使っている
・かばんに入れているとインデックスが丸まってしまう
・インデックスが引っかかって本が折れがち
・結局よく使うページには付箋を貼るから別に不要
という意見も。
私は印字済み項目のシールをすべて貼り付けて「所得拡大」「(消)納税義務」を追加したことがありましたが、その翌年は「臨時特例法」「修繕費」「耐用年数表」のみを貼りました。
- 昭和49年(1974年)から毎年発刊
実用性には全く関係ないのですが、こちらを先に掲載しているのはこういう理由から、というご紹介です。
- 項目は左端に条文番号と共に記載
項目を探すのには本の左端に視点を固定してページをめくっていけばよい、という狙いがありそうです。
ただ、右のページの項目も左端(冊子中央)にあるので、それは見にくいかもしれません。
- 大阪・奈良税理士協同組合では組合員・賛助会員に毎年1冊進呈
著者の杉田宗久氏が大阪の先生(近畿税理士会会長経験者)であることが関係しているのでしょうか、阪奈税協にはそういう特典があるそうです。
※組合員になれるのは大阪府・奈良県に登録の
開業税理士・税理士法人(本店)・(税理士業務を行う)所属税理士
で、
賛助会員になれるのは大阪府・奈良県に登録の
社員税理士・(税理士業務を行わない)所属税理士
です。
税務インデックスの特長
- 少し安い
税務ハンドブックが税込2,200円(R6年度版)なのに対し、
税務インデックスは1,650円(R6年度版)です。
- 2色刷りで見やすい
黒一色でも2色刷りでもあまり変わらないでしょう、と思ったりもしますが、項目名が青字だったり表の項目欄に青い網掛けがしてあると、見やすい気がします。
(※個人の見解です。)
- 行間が程よく空いていて読みやすい
本の軽さ・薄さを追求していないからか、字が詰め詰めという印象があまりありません。
- 所得税の計算のフローチャートや所得税の損益通算の図が秀逸
分かりやすい!
この図を見せて、相手の疑問が一発で解決し、納得してもらえたことがあります。
このほかにも、消費税の納税義務の判定や資本的支出の判断など、見やすさを重視したフローチャートや図が多く挿入されています。
- 源泉徴収税額の月額表の字が小さくなく、5行ごとに青いハイライトが引いてある
老眼が始まっていなくても、こちらが見やすいです。
このページについては『税務インデックス』の圧勝。
- 『税務通信』を購読している事務所は会員価格で購入できる
税務研究会の会員はお得に購入できるので、会員になっている事務所はこちらをまとめ買いしているかもしれません。
- 税理士協同組合に発注すると1割引きで買える場合アリ
税理士事務所の所在地域によるかもしれませんので、ご自身でご確認をお願いします。
税理士会によっては、税理士会経由の斡旋販売があるかもしれません。
- データベース版、電子書籍版がある
いずれもパソコン・スマホ・タブレットで閲覧可能です。(Android・iOSの両方可)
データベース版は料金が数百円プラスされてしまいますがWEBページのように使えて検索機能がついています。
電子書籍版は紙書籍と同じ価格・同じ体裁で、同じデバイスであればメモ・ペン・しおり機能が使えるそうです。
重たい本を持ち歩くのがイヤだという人は、こういう選択肢もアリですね。
※データベース版・電子書籍版はオフラインでは閲覧できないとのことです。
私は紙書籍派です。
- 税理士法人 山田&パートナーズが執筆
巻末には10人以上の税理士を含む方のお名前が書かれています。
2冊の比較一覧
スクロールできます
税務ハンドブック | 税務インデックス | |
---|---|---|
価格 | △ | 〇 |
軽さ※ | 〇 約255g(※) (R2年度版、筆者調べ) | △ 約370g(※) (R3年度版、筆者調べ) |
インデックスシール | アリ | ナシ |
単色・色刷り | 単色 | 黒・青の2色刷り (税制改正項目は4色刷り) |
字の大きさ | △ (源泉税額表の数字が極小) | 〇 (極小の文字の項目もあるが、見る頻度が低い) |
文字の見やすさ | △ (情報詰め込んでる感アリ) | 〇 |
図表の見やすさ | △ | 〇 |
表紙見返しの情報量 | 〇 (かなり使える) | △ (租税体系や広告) |
※筆者の自宅の、5g単位のクッキングスケールによる計量です。
令和4年度版の重量は、
ネオウィング 楽天市場店様調べによると
税務ハンドブック→ 280g
税務インデックス→ 340g
だそうです。
税務コンパクトブックの特長
『税務コンパクトブック』はプロフェッションネットワーク(TAC系列の会社)の発行する本です。
- TACの理論マスターに慣れていると読みやすい
税務の携帯用の本を初めて持った私の、率直な感想でした。
フォントが一緒なのかもしれません。
知らんけど。
- 10年分の税法改正項目が巻頭に年度ごとにまとめられている
実務や勉強のブランクがある人にとっての最大のメリットが、年度別の改正項目です。
過去の私のように実務から数年離れていた期間がある場合はもちろん、ある税法合格後に次の税法を勉強していたら、合格済みの税法が知らないうちに改正されていた、ということがあります。
実務復帰前・税理士事務所への転職前などには重点的に読むと役に立ちます。
- 赤と黒の2色刷り
私の持っていたものは黒の単色刷りで、それでも読みにくさは感じませんでしたが、翌年から2色刷りになったようです。
- TAC出版の通販で10%オフ
ちょっとお高めの定価(R4年度版で税込2,750円)となっていますが、TACプロフェッションネットワークの無料会員になると10%オフの2,475円で購入できます。
もしかしたら、TAC校舎の窓口でも買えるかもしれませんので、TAC生の方は書籍コーナーで探してみたり、受付で聞いてみましょう。
また、事前予約や電子+紙のセット購入でお得になります。
事前予約で電子書籍ならコレもありかな、と思います。
- TACの合格祝賀会の記念品でもらえる
毎年そうかは分かりませんが、私のときはいただけました。
令和4年度はリアルでの合格祝賀会があり、記念品の1つだったようですね。
税務手帳&税務手帳プラスという選択肢
業務で使うのは耐用年数・源泉税額表・印紙税くらいで、手帳は紙派、という人であれば、税務手帳もオススメです。
早期予約は割引があったり、納税協会や税理士協同組合で割引購入できるかもしれません。
手帳という性格上、新刊の発売は秋になりますが、税制改正は追録で補完できます。
税務手帳プラスは税務手帳より少し大きめで書き心地が良い紙を使用、付録を全てスマホで確認できます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
勤務先で無料で配られるという人は、どの本を使われてもそんなに大きな違いはなく、自腹を切ってまで「じゃないほう」を買わなくてもよいかとは思います。
ただ、もし惰性で同じものを毎年使っている方は、ご自身の使ったことのないほうの本の特徴を見て、次はどれを購入するかの参考になさってください。
私は職場での配布がなければ令和5年度版は『税務インデックス』の紙書籍にする予定です。