税理士試験 直前期の過ごし方① 全科目共通編

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これまでの成績は気にせず、受けるからには全力で

一通りの試験範囲の勉強を終えて、特に受験初年度の科目については、授業について行くだけでヒィーヒィーだったものもあると思います。
GWが終わって、本試験まであと3ヶ月。
「理論、全然頭に入ってないー!」「ムーリー!」
というのが正直なところかもしれません。
でも、大丈夫です。諦めないでください。
諦めずに、ここからの3ヶ月、勉強し続けてください。
8月の試験数日前に、「あー、あの中だるみが無かったら、もうちょっと頑張れたのに・・・。」と後悔する話、あるあるです。

私の場合、簿記論と財務諸表論を学習初年度に同時受験したとき、何度も涙目になりながら、簿財の先生それぞれに相談しました。どちらかを諦めて1科目に専念したほうがよいのではないか、と。
どちらも「合格まであと一歩」レベルで、たまにテストで上位に入る成績だったので、先生方からは2科目頑張り続けるよう励ましを受けました。
そして両方受験まで辿り着いたのですが、どちらも本試験の自己採点でボーダーを下回っていたので、年内上級(12月まで受験経験者向けのコース)を受講しました。
そして、12月の合格発表。簿記論は合格していました!

自己採点がボーダーに届かなかったときですら合格することもあるんです。
本試験を受ける前の、勉強時間がある時点で諦めてはいけません。

何科目か受験の合否を経験していると、今年自分が合格するかどうかを悟ってくることもあります。その悟りで「ムリ」と出ていても、低価格な模試を受けるつもりで、前向きに受験してください。
私は、本音では絶対受からないと分かり切っていても、母数(※)になるために受けに行くような、「参加することに意義がある」的な年もありました。
出産・育児のため受験のブランクがあった年だったので、本試験の雰囲気を久々に味わえてよかったと思っています。(その科目は翌年合格=その年は不合格。)

受験に専念した生活ではない方が、3科目同時受験かつ、その組み合わせが3科目同日受験(簿・財・消費や法人・所得・相続)の場合で、どれも進度や理解の深度が思わしくないならば、もしかしたら受験や勉強を1~2科目に絞ることも選択肢の一つかと思います。
簿・財や法人・所得は共通することも多いので、どちらかの勉強時間をセーブしても、そのセーブした方の科目も受験するだけ受験する、というのもアリです。

科目や受験者の実力・性格によってベストな答えは変わってくるため、一般論での取捨選択というものは残念ながらありません。

でも、受けると決めたならば全力で勉強し続ける。
これが基本です。

(※)母数 税理士試験が事実上、相対評価の試験(上位10%前後が合格となるよう、配点調整がされる試験)のため、受験人数(母数)が増えると合格者も増える結果となる。法人税法などは特に、受験申し込みをしたものの受験を諦めた人の空席が多くあり、「受けるだけ受けてくれたらいいのに・・・。」と思うのが、本試験の机に辿り着いた受験者の本音。

合格確実レベルに達したときの境地

私が5科目合格した中で、まぐれ合格っぽかったのは簿記論です。その他は2年以上の時間が掛かり、もう受からないんじゃないか、向いていないんじゃないか、と不合格慣れしてしまった科目もありました。
でも、簿記論以外の科目に合格した年に共通していた、直前期の心境・状態があります。

①「面白い!」「ずっと勉強していたい!」
財務諸表論の理解が深まるについて、会計学の面白さが分かってきました。個々に暗記していただけの論点も、それぞれのつながりが見えてきました。会計学って面白い!、と思えたとき、合格に辿り着きました。

➁「私ならこう作る」
出題できるようになれば、本質を理解しているということ。
ヤマ当てに終始してはいけませんが、自分で問題が作れそうなくらい理解が深まっているならば、合格に近づいています。
その域に達していれば、数日後の自分のために、理論の柱を作る問題と解答を作成するのも良いと思います。

③「ここも、ここも、ここも、全部出そう!(ToT)」
勉強が表面的なものから深度の深いものになっていくと、全部の理論が出題されそうに思えてパニックになります。
受験指導校の講師の先生にそのパニックの件を話すと、
「勉強をすればするほど全部出そうに思えてくるものだ。」
ということでした。
実際、全部出そうに思えた年は、その科目は合格していました。

ただし。全部出そうに思えるので、法人税法の合格した年は、前日の勉強・前泊のホテル・受験会場には、テキストすべてと理論の本を含めた大量の教材をキャリーバックに入れて、引きずって往復することになってしまいました。
あ、あそこのあれ、何だっけ?、と急に思い出して、そのページがもし見つからなければ、大したことではないのにそれに気が行ってしまい、他のことに気持ちを切り替えることができずに時間を無駄にすることもあるかな、という当時の判断でした。
この大荷物になったことは良いことだとは思いませんので、あしからず。

④「ここまで勉強したんだから、私が合格しないで誰が合格する!?」。
テキストのちょろっと書いていることも読み込んで、咀嚼して、ちょっとでも気になれば質問待機の先生に「付箋が大量についたテキスト」を持参して質問して。
これだけ勉強して理解したんだから、私が合格しないで誰が合格するよ!?
そう思えるくらいになれば、合格も近いです。私がこの心境になれたのは、消費税法・法人税法・国税徴収法の合格した年でした。
スポーツにおいても、練習やトレーニングは、そのものの身体的効果だけでなく、これだけ練習してきたんだから大丈夫、という自信につながる部分があると思います。
慢心はいけませんが、やり尽くしたという自信は、合格フラグです。

⑤疑問に思ったことが、講師の先生が即答できない論点
上記③・④くらいになると、勉強した論点について、じゃあこれはどうなんだろう?、と派生して実務とも結びつけて考える余裕が出てきます。
先生には本当にゴメンナサイなんですが、別に意地悪とか、奇をてらってとかではなく、質問を思いついてしまうんです。
国税徴収法受験2年目、差押財産について、チャージした交通系電子マネーはどうなるのか、と気になってしまい、その他にもいろいろ細かな質問を、web受講だったのでネット経由でしました。
それまでほぼ即回答だったのですが、この時ばかりは質問の数も内容も重たかったのか、少し日にちが経ってから、すべての項目について回答してくださいました。
そして、それとは別の機会の、最後の添削問題の講師コメントだったと思いますが、先生から「基本が大事だから、細かいところよりも基本を大事にしてしっかり押さえてください」という趣旨のメッセージをいただきました。
重箱の隅をつついてないで、ちゃんと理論を全部覚えなさいよ、ってことだったんでしょう(^^;
国税徴収法は受講者数が簿財ほどではないので、通信で添削や質問の回答をしていると、顔を合わせていなくても名前と個性が一致するんでしょうね。
お陰様で、そのやりとりをした年、国税徴収法に合格しました。

※※交通系電子マネーは差押可能財産か?、については、また別の機会に。

まとめ

以上、直前期の過ごし方について、全科目に共通することを列挙しました。
直前期の過ごし方については、いろんな先生方がブログ等で紹介されています。
勉強の息抜きにでも、ざっと目を通して、自分に合いそうなものがあれば実践してみてください。

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